「情報幾何への入門と応用」 OCAMI Mini-School on " Introduction to Information Geometry and Its Applications " |
[English] |
ショートコミュニケーション
プログラムとアブストラクト
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ミニスクールポスター
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趣旨: |
甘利俊一先生,長岡浩司先生により創始された古典的情報幾何の入門その基礎理論と「応用」の解説講義。
今回は量子情報幾何はfocusしない。数学から本格的に情報幾何に目指す大学院生や若手研究者の育成をねらいとする。 |
組織委員: |
大仁田義裕(阪市大)、
小林亮一(名大)、
小谷元子(東北大)、
松添博(名工大) |
主催: |
・大阪市立大学数学研究所 21世紀COEプログラム 「結び目を焦点とする広角度の数学拠点の形成」 |
・名古屋大学大学院多元数理科学研究科 | |
・東北大学大学院理学研究科 21世紀COEプログラム「物質階層融合科学の構築」 |
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日時: |
平成18年6月8日(木)〜11日(日) |
場所: |
大阪市立大学学術情報総合センター 1階および10階 |
宿泊施設: | 関西研修センター 等 |
講師: |
長岡 浩司 氏 (電気通信大学 大学院情報システム学研究科) 渡辺 澄夫 氏 (東京工業大学 精密工学研究所) 栗木 哲 氏 (統計数理研究所 数理・推論研究系) 田中 利幸 氏 (京都大学 情報学研究科) |
6月 8日(木) | 10:30〜12:00 長岡(1) |
2:00〜 3:30 渡辺(1) | |
3:50〜 6:30 ショートコミュニケーション | |
6月 9日(金) | 10:00〜12:00 長岡(2) |
1:30〜 3:00 栗木(1) | |
3:30〜 5:00 渡辺(2) | |
6月10日(土) | 10:00〜12:00 渡辺(3) |
1:30〜 3:00 栗木(2) | |
3:30〜 5:00 田中(1) | |
6月11日(日) | 10:00〜12:00 田中(2) |
1:30〜 3:00 田中(3) | |
3:30〜 5:00 長岡(3) | |
6月12日(月) | 予備日(現在のところは予定なし) |
長岡 浩司 先生 | 情報幾何の基礎概念 確率分布を点とするような多様体上に何らかの幾何学的構造を導入する場合、 「統計的に同等」な状況ではそこに現れる幾何構造も同型(不変)であってほしい。 幾何構造としてリーマン計量とアフィン接続を考える限り、 このような不変性を満たす構造はフィッシャー計量とα-接続(αは任意の実数) に限られることが知られている。また、 α接続と(-α)-接続の間にはフィッシャー計量を介してある種の双対性が成り立ち、 それによって、ダイバージェンスという距離的な量との結びつきが生じる。 これらの事実は情報幾何の理論的基礎を成すと同時に、 統計学や確率論などへの応用を考える際にも多くの有用な視点を与えてくれる。 本講義では、これらの基礎的部分の解説を中心に、 統計や確率の問題にどのような形で情報幾何が関わってくるのか、 その代表的かつ基本的な例をいくつか紹介する。 なお、リーマン計量やアフィン接続などの微分幾何に関する基礎事項は予備知識として仮定するが、統計学については基礎から解説する。 ただし、以下の事項について多少とも知識があれば大いに理解の助けになるだろう: フィッシャー情報量、クラメル・ラオ不等式、指数型分布族、最尤推定、 十分統計量、カルバック情報量、(シャノン)エントロピー。
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渡辺 澄夫 先生 | 代数幾何と学習理論の関係について ある確率分布に従うサンプルが与えられたとき、 サンプルから確率分布を推測することを学習という。 近年の学習理論においては、 確率分布全体の集合が特異点を含む解析的集合であるモデルが広く利用されているが、 この講義では、 そのようなモデルを扱うための基礎となる数理的な構造について述べる。 具体的には、代数幾何・超関数・経験過程などが、 情報科学の中でどのように役立つかを紹介する。
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栗木 哲 先生 | 積分幾何と統計分布理論 滑らかなサンプルパスを持つ確率過程, 確率場の最大値の分布を近似する方法として, 積分幾何を用いる方法(オイラー標数法)が知られている. これは,添字集合に確率過程の共分散関数から自然に定義される計量を導入し, その多様体(添字集合)の曲率測度で分布の近似式を記述する方法である. そのアイデアと数学的な取り扱い,ならびに統計学の応用について解説する 予定である.
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田中 利幸 先生 | 確率モデルにもとづく推論の情報幾何 確率モデル p(x_1, x_2, ..., x_n) が既知であるとき, 例えば確率変数 x_1 の期待値 E(x_1) を求めるといった推論の問題は, 定義に従って粛々と計算を進めていけば解くことができると考えられる一方で, 必要な計算量が確率変数の個数 n に対して指数オーダーとなりうる, という点で, 情報科学の実用的な側面から解決されるべき重要な問題を提起する. 本講義では,確率モデルにもとづく推論の問題が, 情報幾何の立場からはある種の「正射影」によって記述される, という「推論の情報幾何」の基礎的な部分について解説し, 併せて平均場近似や確率伝搬法などの最近の近似的確率推論の手法に対する幾何学的描像について紹介する. |
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